研究 Research

開発工学研究室打ち合わせ(2002/04/11)

内容

■題名
行列計算を改良した多数室室温計算手法の提案と高反射高放射塗料導入の評価例
■資料
プレゼンテーション資料(HTML)
■Q&A
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概要

本稿では,後退差分法を用いた新しい多数室室温計算手法を提案する.そして,この手法とシミュレーションプログラムを用いて,高反射高放射塗料をオフィスビルに導入した場合のCO2排出削減量を評価した.

1次元熱伝導方程式をもとに,建築物の各室および各壁の各熱点ごとに微分熱平衡式を作成し,後退差分化および各式連立の操作により,行列方程式を作成する.スカイライン法を用いるなど行列計算を改良することにより,従来の差分用による多数室室温計算手法より数倍高速な手法を提案した.この計算手法は1次元熱伝導方程式から成る単純なモデルであるので,大抵の建築技術の評価に適用できる.

この手法の適用例として,高反射高放射塗料の評価をおこなった.塗料は暖房需要を増大させる可能性があるが,冷房需要を削減する効果があることがわかった.オフィスビルにおいては,冷房需要が大きく,また近年の内部発熱の増加により冬期においても暖房需要が減少しつつある.そのため,オフィスビルにおいては,高反射高放射塗料の導入は,CO2排出量を削減することがわかった.

Last update: Apr 13, 2003
井原 智彦(ihara-t/aist.go.jp)