持続可能性(サステイナビリティ)を検討する上で必要であるライフサイクル思考を学び、かつライフサイクル思考を用いて物事を分析・評価できるようになる。
ライフサイクル思考に基づく代表的な手法である、ライフサイクルアセスメント(life cycle assessment, LCA)について、その理論と手法を学ぶ。また、持続可能性を支える3要素(環境・経済・社会)を理解し、ライフサイクル思考に基づいて分析・評価する理論を学ぶ。
日程 | 項目 | 内容 |
---|---|---|
6月9日(木) 10:25〜12:10 |
1. 社会における環境問題と持続可能性に関する概論 | 身近で発生している、さまざまな環境問題の構造を理解する。また、ライフサイクルアセスメント(LCA)における目的と調査範囲の設定、インベントリ分析、影響評価、解釈に至る全体の流れを理解し、社会のおけるLCAの実用例とその有用性を学ぶ。 |
6月9日(木) 13:00〜14:45 |
2. 社会基盤システムへのライフサイクル思考の応用 | 今日の社会を支える社会基盤システム(廃棄物処理、都市計画、交通、上下水道など)を知る。特に廃棄物処理について、問題とその対策の関係に関する歴史的変化を理解する。 |
6月16日(木) 10:25〜12:10 |
3. 環境面の評価(1): ライフサイクルアセスメントの体系、目的と評価範囲の設定(1) | ISO 14040に規定されている一般的なLCAを学ぶ。LCAにおける目的と調査範囲の意義を認識する。環境問題にライフサイクル思考を適用する際の、目的と調査範囲の設定方法を学ぶ。 |
6月16日(木) 13:00〜14:45 |
4. 環境面の評価(2): 目的と評価範囲の設定(2) | 社会基盤システムへのLCAの適用事例として、地方における廃棄物処理の広域化の事例をとりあげる。この事例に対して、実際に目的と調査範囲を設定する。 |
6月23日(木) 10:25〜12:10 |
5. 環境面の評価(3): インベントリ分析(1) | 環境問題にライフサイクル思考を適用する際の、インベントリ分析方法のうち、概要およびプロセスインベントリの作成について学ぶ。 |
6月23日(木) 13:00〜14:45 |
6. 環境面の評価(4): インベントリ分析(2) | 講義第4回で説明した事例に対して、実際にインベントリ分析をおこなって環境負荷を算出する(プロセスインベントリの作成)。 |
6月30日(木) 10:25〜12:10 |
7. 環境面の評価(5): インベントリ分析(3) | 環境問題にライフサイクル思考を適用する際の、インベントリ分析方法のうち、ライフサイクルインベントリの作成について学ぶ。 |
6月30日(木) 13:00〜14:45 |
8. 環境面の評価(6): インベントリ分析(4) | 講義第4回で説明した事例に対して、実際にインベントリ分析をおこなって環境負荷を算出する(ライフサイクルインベントリの作成)。 |
7月7日(木) 10:25〜12:10 |
9. 環境面の評価(7): 影響評価(1) | 環境問題にライフサイクル思考を適用する際の、影響評価手法を学ぶ。 |
7月7日(木) 13:00〜14:45 |
10. 環境面の評価(8): 影響評価(2) | 講義第4回で説明した事例に対して、実際に影響評価をおこなって環境影響を評価する。 |
7月14日(木) 13:00〜14:45 |
11. 環境面の評価(9): 解釈 | 目的と調査範囲の設定、インベントリ分析および影響評価に対する結果の解釈方法について学ぶ。 また、講義第4回で説明した事例に対して、実際に解釈を実施する。 |
7月14日(木) 13:00〜14:45 |
12. 経済面の評価: 経済影響評価 | 社会の問題を考慮するにあたっては、環境影響だけではなく、経済性も重要な要素である。ライフサイクルの観点からは、直接的な運用コストだけではなく、間接的なコスト、建設・廃棄コストも評価する必要がある。そこで、ライフサイクルコストの算出方法であるライフサイクルコスティングについて学ぶ。 |
7月21日(木) 10:25〜12:10 |
13. 社会面の評価: 社会影響評価 および 統合評価 | 持続可能な社会を構築するためには、環境面、経済面だけではなく社会面も考慮する必要がある。社会面をライフサイクル思考に基づいて評価する社会的LCA(social LCA)について学ぶ。 また、実際に持続可能性を評価するためには、環境・経済・社会の3要素を統合化する必要がある。環境面・経済面・社会面を統合化したライフサイクル持続性評価(LCSA)の思想および現状の手法の開発状況について学ぶ。 |